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2018年4月7日2:39(約610日前)

NPO法人設立のメリットとデメリット

NPO法人設立

NPO法人とはどんな組織なのか

NPO法人を簡単に説明すると?

NPO(Non Profit Organization)法人は特定非営利活動法人の略語ですが、簡単に言えば営利を目的とぜず、余剰金・利益を構成員に分配しない民間の組織すべてです。
似たような単語にNGO(Non Gobarmmental Organization)がありますが、NGOは国連憲章71条に基づく協議資格を持って国際的に活動する民間組織のことでNGOもNPOに内包されます。
NPO法人の成立の起源は、平成10年12月1日に試行された特定非営利活動促進法(以下NPO法)に由来します。NPO法によって民間団体が法人格を取得することができるようになりました。
なお、非営利という名称から勘違いされがちですが、非営利活動の他に、その他の事業として収益事業を展開することも可能です。
営利団体と異なり、会員に利益配当がなされないという意味での非営利だからです。

法人格を取得するとどうなるの?

NPO法の法制化以前から福祉、環境、まちづくり等の様々な分野で民間団体が存在してボランティア活動などの社会貢献活動が盛んに行われていました。しかし、これらの民間団体は銀行口座開設や事務所の賃貸、不動産登記、電話番号取得などの契約は代表者が個人名義で行わざるを得ませんでした。
なぜなら法人格を持たない任意団体は団体名儀での法律行為ができないからです。そこでNPO法は民間団体に法人格を取得する道を開き、これらの不都合を解消しました。
つまり法人格を取得することで団体として法律行為を行うことができるようになるため、法律行為における個人への負担がなくなります。
またNPO法の根底には、NPO法人は情報をできるだけ公開することで市民の信頼を得て、市民によって育てられるべきという考え方があります。そのため、法人化によって一定の義務も発生することになります。

NPO法人設立における社団法人や財団法人との違い

一般社団法人や一般財団法人は法人設立にあたって法律が定める要件・手続きを満たせば、当然に法人格が付与されます。活動目的などに制限はありません。これを準則主義といいます。
対してNPO法人は認証主義という方式を取っています。これは法人設立にあたって所轄庁の確認行為である認証が必要で、NPO法に定められた活動のみ許されており、活動目的について制限があります
つまり準則主義の一般社団法人や一般財団法人より、認証主義のNPO法人の方が法人設立にあたってのハードルが高いことになります。
なお、要件は厳しいですが、どちらの法人も一定の要件を満たせば、税制上の優遇措置の付与に係る認定を受けることで、公益社団法人・公益財団法人、認定NPO法人となることができます。

NPO法人設立のメリット

NPO法人になると大きく分けて、以下の3つのメリットがあります。

  1. NPO法人の名義で法律行為ができる
  2. 団体の社会的信用が高くなる
  3. 認定NPO法人を目指せる

1.NPO法人の名義で法律行為ができる

先に述べたように法人格を取得することで、法律行為の主体となることができます。
具体的には、契約の際にNPO法人名義での契約締結が可能になるため、代表者名義で契約する必要がなくなります。そのため代表者が変わる度に契約を締結しなおす必要がなくなります。また、法人名義で銀行口座を開設して借入等ができるようになり、不動産の登記や所有もできるようになるため、代表者や構成員の個人財産と区別して資産や負債の管理ができるようになります。
更に、万が一法的な争いが発生した場合も法人として損害賠償の対応に応じることができるため、代表者や構成員が過度の責任を負う必要がなくなります

2.団体の社会的信用が高くなる

NPO法人になるとNPO法に定められた所轄庁への報告義務が発生します。そのため活動の社会性が担保され、公益目的が明確になり組織基盤が固められます。
それによって職員を雇用しやすくなり、事務所の賃貸もしやすくなります。またNPO法人にとって資金源となる寄付金を受けやすくなります。更に行政からの信頼も得られるため、委託事業の受注や助成金や補助金の受給もしやすくなります。

3.認定NPO法人を目指せる

NPO法人設立から実績を積むと、認定NPO法人を目指せるようになります。
認定NPO法人は市民がNPO法人の活動を支援しやすくするために、寄付者に税法上の優遇措置をあたえる制度です。つまり寄付金が集めやすくなります
NPO法人が一定の要件を満たすことで認定NPO法人になるための所轄庁の認定を受けられるようになります。
具体的には認定NPO法人になると以下のメリットが発生します。

  1. 寄付者に対して寄付金控除が適用される
  2. 認定NPO法人に対してみなし寄付金制度が適用される

みなし寄付金制度が適用されると収益事業から生じた利益を寄付金と見なして計算できるようになるため課税所得を圧縮できます。

NPO法人設立のデメリット

真摯に活動するためには必要なことではありますが、逆をいえば社会的信用が高くなることで責任が伴います
非営利という立場上、営利組織以上に運営上の規制があります。また税務・労務に関して言えば営利法人と同等の義務が生じます。
具体的には以下のようなものがあります。

  1. 法人の運営(会計・事業運営など)はNPO法・定款の定めに従い、原則として定款を変更するときは所轄庁の認証を受ける必要がある
  2. 毎年事業年度終了後3ヶ月以内に事業報告、役員変更等を所轄庁に提出する必要がある
  3. 各報告書は、5年間事務所に据え置き、閲覧に供する必要がある。また所轄庁でも同書類を同じく5年間閲覧に供する必要がる
  4. 法人住民税・法人事業税・消費税など税法上の収益事業がある場合は、各税金を納税する必要がある
  5. 職員を雇用した場合、最低賃金法の定めにしたがって賃金を保証し、労働保険(労災・雇用保険)と社会保険(健康・厚生年金保険)に加入する必要がある

他の注意点としては役員の任期は2年以内で、変更する場合は登記の変更が必要です。また透明性担保のため役員になれる親族について制限があります。更に資産変更の場合も登記が必要です。
営利組織と異なる点では、残余財産、利益配当などが会員にされず国や地方公共団体などの法に定められたものに残余財産の帰属がなされます。

まとめ

NPO法人になることにより得られる社会的信用は間違いなくNPO団体の活動をしやすくします。しかし同時にいくつかのデメリットがあることを知っておくことも重要であることがご理解いただけましたでしょうか。
法人化するということは公的に認知されるようになるということです。NPO法30条において事業報告書等の公開が定められており、役員名簿も情報公開の対象になります。つまり役員の住所が公開されることになります。
これらのデメリットはリスクとも取れますが、法人の義務として受け入れなければなりません。言い換えればこれらを理解し、メリットもデメリットも受け入れてNPOの活動を続けていくんだという覚悟を持つことがNPO法人設立のスタートです。

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