Webサービスの利用規約とは?
最近ではノーコードやローコードなどが一般的になってきたこともあり、WebサービスやWebアプリが誰でも簡単に開発できるようになってきました。
一方でデザインや開発に気を取られがちで、実際に運営していく過程でどのような問題が起こるのかといったトラブル想定には手が回らないことが多いです。
Webサービスの利用規約はそのようなサービス運営上のリスクをあらかじめ想定し、トラブルにならないように、あるいはトラブルを円満に解決できるようにするために作成します。
つまりサービス提供者がユーザーにサービスを提供するにあたって、これだけは絶対に守ってくださいという約束を明文化したものとなります。
今回の記事は2020年4月施行の民法改正に対応した利用規約の作り方について解説します。
利用規約と契約書は違うもの?
利用規約の内容の不備や問題がなければ、ユーザーが利用規約に同意することでサービス運営者とユーザーとの間で契約が成立します。その意味では利用規約は契約書と共通の機能を持ちます。
しかし一般に契約書は当事者同士が契約の内容について交渉しながら作成されるのに対して、利用規約はサービス提供者が一方的にその内容を取り決めるという部分が異なります。
これはユーザー(消費者)にとって不利益となる恐れもある契約であり、利用規約は民法改正で定形約款と定義されるようになりました。
今回の記事では定形約款の民法上の具体的な定義は省略させていただきますが、定形約款イコール利用規約として話を進めます。
利用規約が契約として成立する要件とは?
2020年4月施行の民法改正による箇所をメインに契約成立要件を解説します。
みなし合意について
民法548条の2第1項にみなし合意という条文があります。
このみなし合意によって民法改正前にはルールのなかった交渉成立後に署名捺印といったフローがない契約も、定型約款として認められる下記要件を備えればみなしで契約が成立するというルールが定められました。
- 利用規約を契約内容とする旨の合意があった場合
-
取引に際して、利用規約を契約の内容とする旨をサービス提供者があらかじめ相手方に表示していた場合
「あらかじめ相手方に表示」とは、サイトのどこかに利用規約があれば良いということではなく、サービス利用の同意、つまり会員登録までにユーザーが具体的に見れる状態でなければいけません。
具体的には利用規約への同意のチェックを入れないと同意ボタンが押せないというUI(ユーザーインターフェース)が望ましいですが、同意ボタンの直前に利用規約へのリンクと「利用規約にご同意いただける場合は同意ボタンを押してください」などの文言とのセットでも問題ありません。
不当条項について
上記のように利用規約はサービス提供者側が一方的に定めるルールであってユーザー(消費者)が不利になるようなルールが定められてしまう危険性があります
そのようなユーザーが一方的に不利になるような条項は、仮に利用者が同意ボタンを押したような場合であっても無効化、つまり同意しなかったことにされます。
このような条項を不当条項と言い、以下のように定められています。
- 相手方の権利を制限し、または相手方の義務を加重する条項
- 定型取引の態様・実情や、取引上の社会通念に照らして、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められる条項
具体例としては、例えば「退会した場合に1億円のペナルティが課されます」のような理由もなくユーザーに有無を言わさず負債を追わせるような条項や、「○○となっても一切責任を負いません」などのようにサービス提供者が悪い場合でも一方的に義務を逃れようとするような条項、更に「○○をした場合は〇〇をセットで購入したことになります」のように通常あり得ないような不意をつく条項などがそれにあたります。
利用規約の変更可能性について
契約書の場合は契約に変更があった場合は双方合意の元に再度署名捺印して変更することができますが、利用規約はそれが事実上難しいです。
そのため民法改正によって利用契約の変更にも手続き上のルールが定められました。
以下の場合には一方的に利用規約を変更することが可能です。
- 契約の目的に反しないこと
- 契約変更の必要性、変更内容の相当性が認められること
- 利用契約にあらかじめ変更の可能性がある旨、変更方法を規定していること
- 利用規約変更に際して上記の変更方法に沿ってユーザーに周知すること
上記の理由から契約の目的を利用規約作成段階で明確にしておくことが重要です。また事業フェーズによって利用規約を変更する可能性は当然に考えられるため、利用規約の変更と周知の方法を具体的に明確にしておくことも重要です。
具体的な条文の作り方はは以下のテンプレートにて解説します。
Webサービス利用規約の作り方をテンプレートで解説
今回は「情報提供と会員同士の交流を目的としたWebサービス」の利用規約を仮定します。
立ち上げフェーズでは無料で利用でき、将来的にはマネタイズを想定しているようなケースを想定しています。
「○○○○(Webサービス名)」は、サービス(以下「本サービス」)を提供するにあたり、次の通り利用規約(以下「本規約」)を定めます。本規約は、利用者及び登録ユーザの方が本サービスを利用するにあたって適用されるルールとなります。本サービスを快適にご利用になるために、本規約の内容をよくお読みください。
本サービスをご利用頂いた場合、本規約の内容を理解しており、かつ、本規約の全ての条項について承諾したものとみなします。
なお、本規約の内容は、必要に応じて変更しますので、本サービスをご利用する際には、最新の利用規約を確認して下さい。
みなし合意のために、この条項が利用規約である旨を冒頭で明確に定めるようにします。
またサービスを利用するイコール利用規約に同意したとみなす旨を明記しましょう。
(目的)
第1条
本サービスは、「行政書士をより身近に」をテーマとして○○○○年○月にスタートしたものです。本サービスは、行政書士業務に関する情報提供や会員同士の交流を通して、ユーザーと共に行政書士業界を発展させていくことを目的としています。当社は、よりよいサービスを提供できるよう、継続的に努力いたします。
提供するサービスの内容やその範囲について、利用規約の中で明確に規定しておく必要があります。
最初にこの利用規約の「目的」を定め、利用者との健全な関係のために必要であることをメッセージとして伝えると良いです。
(用語の定義)
第2条
本契約書上で使用する用語の定義は、次の通りとします。
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本サービスとは当社が運営する投稿サイト及び関連するサービスです。
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本サイトとは本サービスのコンテンツが掲載されたウェブサイトをいいます。
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コンテンツとは当社が本サイトにて提供したもの、または投稿情報を含む情報・画像等の総称です
- 利用者とは本サイトを閲覧する全ての方をいいます。
- 登録ユーザーとは本サイトのユーザー登録が完了した方をいいます。
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投稿情報とは登録ユーザーが投稿等により掲載した文章、文字列、画像、コメント等の情報の総称です。
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登録情報とは登録ユーザーが本サイトにて登録した投稿情報以外の情報の総称です。
(本規約の範囲と変更)
第3条
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本規約は、本サービスの提供条件及び本サービスの利用に関する当社と本利用者との間の権利義務関係を定めることを目的とし、本利用者と当社との間の本サービスの利用に関わる一切の関係に適用されます。
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当社は、本利用者の承諾を得ることなく、当社が適当と判断する方法で本利用者に通知することにより、本規約を変更できるものとします。
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当社は本利用規約の変更にあたり、変更後の本利用規約の効力発生日の前に相当な期間をもって、本利用規約を変更する旨及び変更後の本利用規約の内容とその効力発生日を当社のウェブサイトに掲示し、またはお客さまに電子メールで通知します。
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当社がお客さまに変更後の本利用規約の内容を通知し、変更後の本利用規約の効力発生日以降にお客さまが本サービスを利用した場合、お客さまは本利用規約の変更に同意したものとみなします。
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当社が本サービス用サイト上で掲載する本サービスの利用に関するルールは、そのルールの名称を問わず、本規約の一部を構成するものとします。
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本規約の内容と、前項のルールその他の本規約外における本サービスの説明等とが矛盾・抵触する場合は、当該説明等の規定を優先させる旨の特段の定めがない限り、本規約の規定が優先して適用されるものとします。
この利用規約の有効範囲と利用規約自体に変更の可能性があることを明記しています。
利用規約の変更にあたって、変更の効力発生時期を定めること、利用規約を変更する旨・変更後の内容・効力発生時期を周知する旨、および周知の方法を規定する必要があります。
また、全体を定めた当規約の他に、個別のサービスの規定の存在を示唆しています。これにより、提供サービスごとにフレキシブルな契約変更が可能になります。
(契約期間)
第4条
本サービスは、登録ユーザーが退会手続を完了した場合に契約を終了します。登録ユーザーは所定の登録抹消手続を行うことにより、いつでも本サービスの退会することができます。但し、利用者及び登録ユーザーが契約解除の事由となる行為を行ったときは、当社は即時に契約解除できるものとします。
(利用料金)
第5条
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利用者及び登録ユーザは、本サービスの利用に関して、利用料金の負担はありません。
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広告主は、当社の料金規定に定める所定の料金をご負担いただきます。
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当社は、経済情勢の変動等により、随時料金規定を変更できるものとします。
広告によるマネタイズを考えている場合はここに条項を入れます。将来的に利用者または登録ユーザーからのマネタイズを考えている場合はその旨あらかじめ入れておきましょう。
全くの無料から有料になるよりも、マネタイズ時の利用規約変更に伴うユーザーの心理的障壁が減ります。
(外部委託)
第6条
当社は、クレジット決済代行など、必要に応じて業務の全部または一部を外部委託することができるものとします。
(入会)
第7条
-
本サービスへの入会を希望する方(以下「登録希望者」)は、本規約に同意した上で、所定の方法で入会の申込を行う必要があります。
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入会の申込をした場合、当社がその申込を承諾し、ユーザー登録が完了した時点から登録ユーザーとなります。
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当社は、登録ユーザー向けにメールなどで連絡事項の告知や広告、宣伝その他の情報提供を行います。
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登録希望者が次の各号のいずれかに該当する場合、当社の判断により入会申込を承諾しないことがあります。この場合、当社は拒絶の理由に関し一切の説明義務及び損害賠償義務を負いません。
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登録希望者が、申込みに不備(虚偽、誤記、記入漏れを含むが、これらに限りません。)がある場合
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登録希望者が過去に本規約違反等をしたことにより、利用者登録の抹消、登録ユーザー資格の利用停止などの措置が行われたことがある場合
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登録希望者が、不正な手段をもって登録を行っていると当社が判断した場合
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登録希望者が暴力団等反社会的勢力と関係を有し、又は公序良俗に反する事業を自ら行っている場合
- その他当社が不適切と判断した場合
(ID及びパスワードの管理)
第8条
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登録ユーザーは、当社が付与するID及びパスワードの管理責任を負うものとし、当該ID及びパスワードを第三者に知られるような態様で管理してはならないものとします。この義務を怠ったことにより損害が生じても当社は、一切の責任を負いません。
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ID及びパスワードを用いてなされた本サービスの利用は、全て当該ID及びパスワードの発行を受けた登録ユーザー本人によりなされたものとみなし、当該ID及びパスワードの不正利用により当社又は第三者が損害を被った場合には、当該ID及びパスワードを使用した者が登録ユーザー本人であるか否かを問わず、当該登録ユーザーは当該損害を賠償するものとします。
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登録ユーザーはID及びパスワードを第三者に利用させたり、貸与、譲渡、売買、質入等を行うことはできないものとします。
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ID及びパスワードの不正利用の疑いがあると感じたときは、当社宛にご連絡ください。
(登録情報の変更)
第9条
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登録情報に変更が発生した場合は、速やかに本サービス上で所定の変更手続を行う方法により、登録内容の変更届出を行うものとします。登録内容の変更がなされなかったことにより生じた損害については、全て当該登録ユーザーが負うものとし、当社は一切の責任を負いません。
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登録ユーザーに対する当社からの通知は、通知時において、本サービスに登録されている登録ユーザーのメールアドレスにメールを送信することをもって通知したものとみなします。
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前項の場合に、登録ユーザーが当社からの通知を受領できなかったことで、登録ユーザーに損害が生じたとしても、当社は一切の責任を負いません。
(退会)
第10条
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登録ユーザーが退会を希望する場合、登録ユーザーは当社所定の方法により退会の手続を行ってください。
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当社は、登録ユーザーが次の各号のいずれか一つに該当する場合、当社の判断により強制的に退会いただきます。
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申込みに不備(虚偽、誤記、記入漏れを含むが、これらに限りません。)があることが明らかとなった場合
- 本規約または当社の定めるその他の利用規約等に違反した場合
- その他当社が不適切と判断した場合
-
退会時に登録ユーザーが当社に対する負債及び義務があるときは、登録ユーザーはこの支払義務を退会後も引き続き負うものとします。
第7条から第10条まで、入会から退会までの流れを説明しています。必要となる手続きを入会から退会まで時系列で並べておくと、読みやすくなります。
(遵守事項)
第11条
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登録ユーザーは、IDを第三者に譲渡、質入、貸与することはできません。
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登録ユーザーは、本サービスを利用して行う自らの行為について一切の責任を負います。
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登録ユーザーが投稿した情報の出所等に関する責任は、登録ユーザー自身にあります。
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当社は投稿情報を保存する義務がありません。必要な投稿情報のバックアップは登録ユーザー自身でおこなってください。
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登録ユーザーは、登録情報を偽ってはいけません。また他人の情報を許可なく勝手に登録することも禁止します。
(禁止行為)
第12条
本サービスの利用に際し、当社は登録ユーザに対し、次に掲げる行為を禁止します。違反した場合、強制退会、利用停止、掲載情報の削除等、当社は必要な措置を取ることができます。
- 当社または第三者の知的財産権を侵害する行為
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当社または第三者の名誉・信用を毀損または不当に差別もしくは誹謗中傷する行為
- 当社または第三者のプライバシー権を侵害する行為
- 当社または第三者の個人情報を、事前の許諾なく開示する行為
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当社または第三者の財産を侵害する行為、または侵害する恐れのある行為
- 当社または第三者に経済的損害を与える行為
- 当社または第三者に対する脅迫的な行為
- IDの利用を停止された者に代わってIDを取得する行為
- 本サービスの運営及びシステムに支障を与える行為
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わいせつ、児童ポルノ、品性を欠く内容と当社が判断する投稿を行うこと
- 虚偽の情報を投稿すること
- 本サイトの趣旨と関係のない画像、文章等の投稿を行うこと
- 同一または類似の投稿を行うこと
- 法令に違反する投稿を行うこと
- 民族的・人種的差別につながる投稿を行うこと
- 利用者に嫌悪感を与える投稿を行うこと
- 上記の他、当社が不適切と判断する行為
第11条、第12条で、遵守事項、禁止行為について定めます。利用にあたってあらかじめ懸念される行為を記載しておきます。
(利用環境整備)
第13条
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登録ユーザーは、本プラットフォーム及び本サービスを利用するために必要な通信機器、ソフトウェアその他これらに付随して必要となるすべての機器を、自己の費用と責任において準備し、利用可能な状態に置くものとします。本プラットフォーム及び本サービスのご利用にあたって、登録ユーザーは、自己の費用と責任において選択し、電気通信サービス又は電気通信回線を経由してインターネットに接続するものとします。登録ユーザーは、自己の利用環境に応じ、コンピューター・ウィルスの感染、不正アクセス及び情報漏洩の防止等セキュリティを保持するものとします。
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当社は、登録ユーザーの利用環境について一切関与せず、また一切の責任を負いません。
(知的財産権)
第14条
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本サービスに含まれているコンテンツ、個々の情報に関する権利は当社及び本サービスにコンテンツ等を提供している提携先企業に帰属しています。
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本サービス又は広告の中に提供、掲載されているコンテンツは、著作権法、商標法、意匠法等の各種法令によって保護されています。
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登録ユーザーは当社、提携先企業、広告主企業等の事前の承諾を得た場合を除いて、本サービス若しくはソフトウェア又はそれらに含まれる内容を複製、公開、譲渡、貸与、翻訳、転売、転送、使用許諾、再利用等してはならないものとします。また、本利用者がこれらの行為によって受けた損害に関し、当社は、一切の保証をしないと同時に、本利用者がこれらの行為を行った場合、損害賠償請求をすることがあります。
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登録ユーザーが当社に提供したすべての情報(以下「提供情報」といいます。)に関する著作権その他の権利(著作権法第27条及び第28条の権利を含みます。)は、本利用者が本サービスに対して当該情報を送信した時点で当社にすべて譲渡されます。また、本利用者は、提供情報に関する著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)を行使しないこともあらかじめ承諾するものとします。
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本利用者は提供情報の権利帰属に関して、当社に対して、いかなる権利の主張及び行使も行わないものとします。
著作権等の知的財産権については重要です。特に投稿してもらった情報を運営会社が使用する場合に注意が必要です。何の目的で使用するのかを明確にして、ユーザーの同意を得られるようにきちんと考えたうえで利用規約を準備しましょう。出版物や広告での使用も念頭に入れると良いです。
(利用制限)
第15条
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当社は、登録ユーザーまたは利用者が次の各号のいずれか一つに該当する場合、利用の一時停止など、本サービスの利用を制限することができるものとします。
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登録ユーザーまたは利用者の本サイト利用により、コンピュータウィルスや大量送信メールの拡散など、当社または第三者に被害が及ぶおそれがあると当社が判断した場合
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当社が登録ユーザーと電子メールその他による連絡が不能となった場合
- その他、当社が利用制限をかける必要があると判断した場合
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利用制限に関して、当社は登録ユーザーまたは利用者その他に対して一切責任を負わないものとします。
(削除及び変更権限)
第16条
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当社は、登録ユーザーが次の各号のいずれか一つに該当する場合、事前通知なく投稿情報等を即時に削除し、IDの削除ならびに将来にわたる利用禁止の措置を取ることができるものとします。
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登録ユーザが本規約または別途定められた規定に違反したとき
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登録されたIDが反社会的勢力またはその構成員や関係者によって取得または使用されたとき、もしくは使用されるおそれがあると当社が判断したとき
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掲載された投稿情報が登録ユーザーの保有するものでないと判明したとき
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当社は、削除または利用禁止に関し、該当者及び第三者に対して一切責任を負わないものとします。
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当社が必要と判断した場合には、登録ユーザーまたは利用者その他に通知することなく、いつでもサービス内容を変更、停止または終了することができるものとします。
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当社は、自らの判断により、登録ユーザーまたは利用者その他に事前通知を行うことなく、本規約の変更ならびに本サイトのコンテンツの更新、追加、変更、削除等を行うことができるものとします。
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当社は、サービスの内容の変更、停止、終了に関して、登録ユーザーまたは利用者その他に対して一切責任を負わないものとします。
(通信の秘密)
第17条
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当社は、電気通信事業法に基づき、利用者の通信の秘密を守ります。
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刑事訴訟法または犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の定めに基づく強制処分または裁判所の命令が行われた場合・・・当該処分または裁判所の命令の定める範囲内
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法令に基づく行政処分が行われた場合・・・当該処分または命令の定める範囲内
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特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条に基づく開示請求の要件が満たされていると当社が判断した場合・・・当該開示請求の範囲内
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第三者の生命、身体または財産の保護のために必要があると当社が判断した場合・・・第三者の生命、身体または財産の保護のために必要な範囲内
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当社は、次の各号のいずれか一つに該当する場合、当該各号に定める範囲内において前項の守秘義務を負わないものとします。
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当社は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条第2項の定めに従い、開示するかどうかについて当該投稿情報の発信者の意見を聴くものとします。但し、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合には、この限りではありません。
本テンプレートは、会員同士の交流を提供するサービスを仮定しているため、この場合、電気通信事業の届出が必要になることがあります。
(個人情報管理)
第18条
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当社は、登録ユーザーが登録した個人情報、登録ユーザーが当社のサービスを通じて当社に提供した個人情報、その他の本利用者が当社に提供したすべての情報(以下総称して「提供個人情報」といいます。)を本サービスの「プライバシーの考え方」に基づき、適切に取り扱うものとします。
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当社は登録ユーザーに対して、メールその他の方法により、広告を含む情報提供を行うことができるものとし、登録ユーザーは、これに同意するものとします。なお、登録ユーザーが情報提供を希望しない場合は、情報提供を行わないものとします。
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当社は、本サービスを通じて得た情報や本利用者から提供又は入力された情報を、情報の分析や評価をし、第三者への情報提供等のために利用することがあります。
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当社は本サービス運営事業を他社に譲渡した場合、当該事業譲渡に伴い本規約上の地位、本規約に基づく権利及び義務並びに本利用者の登録情報、提供個人情報その他の情報を当該事業譲渡の譲受人に譲渡することができるものとし、本利用者は、かかる譲渡につき本項において予め同意したものとします。なお、本項に定める事業譲渡には、通常の事業譲渡のみならず、会社分割その他事業が移転するあらゆる場合を含むものとします。
-
当社は、前三項、前四項の他、あらかじめ登録ユーザまたは利用者の同意を得ることなく、個人情報を第三者に提供しないものとします。但し、次の各号の場合を除きます。
- 法令に基づく場合
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第三者の生命、身体または財産の保護のために必要があると当社が判断した場合
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公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合
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公的機関またはその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより、当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき
(非保証)
第19条
当社及び本サービスの提供に関与している企業は、次の各号について一切の保証を行いません。
- コンテンツの正確性及び商品の完全性
- コンテンツが第三者の権利を侵害していないこと
- 本サービスが永続すること
-
広告掲載企業及び商品に関する事項の信頼性または効能等を保証すること
(免責)
第20条
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当社は、登録ユーザーまたは利用者が本サービスを利用して投稿した情報の内容について、一切責任を負いません。
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当社は、登録ユーザ間の通信や活動に関与しません。争いが発生した場合、当該登録ユーザー間で解決するものとし、当社はその責任を負いません。
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当社は、本サービスの内容変更、中断、終了によって生じたいかなる損害についても、一切責任を負いません。
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当社は、予期せぬ要因で本サイトの閲覧に関して障害が生じた場合、一切責任を負いません。
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当社は、広告掲載企業及び決済代行会社に関する事項につき、一切の責任を負いません。
(賠償額の制限)
第21条
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当社は、本サービス利用により生じた一切の損害につき、その賠償義務を負いません。但し、当社の故意または重大な過失により登録ユーザーまたは利用者その他の第三者に損害を与えた場合は、該当する者が直接被った損害額の実費を上限として損害賠償を行うことがあります。
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当社は、登録ユーザーまたは利用者その他の第三者に発生した機会逸失、業務の中断その他いかなる損害(間接損害や逸失利益を含みます)に対して、当社が係る損害の可能性を事前に通知されていたとしても、一切の責任を負いません。
第19条から第21条まで、非保証、免責、賠償額の制限を説明しています。
不当条項の制限によって、ユーザーが一方的に不利になる条項は「一切の責任を負いません」の文言を使用しても法的効力を持たない場合があります。
無条件に義務を逃れる条項にせず、具体的なケースを想定して説明する条項にしましょう。
(他のサービスとの関係)
第22条
当社が提供する本サービスその他のサービスに本規約以外の規定がある場合は、当該規定も適用されるものとします。本規約と相反する記述がある場合は、当該サービスの規定を優先適用します。
(通知方法)
第23条
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登録ユーザーへの連絡が必要であると当社が判断した場合には、当社に届けているメールアドレスを用いて通知いたします。
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利用者または登録ユーザーが、当社に対し通知が必要であると判断した場合には、原則メールにて連絡を行うものとします。
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広告商品に関するお問い合わせは、当該商品を提供する事業者様宛に直接お願いします。
(不可抗力)
第24条
天災、洪水、津波、台風、地震、疫病その他の伝染病、戦争、テロ、火災または政府機関の行政指導による規制など、当社の合理的支配の及ばない状況で、直接または間接的に生じた本規約上の義務の不履行や履行遅滞につき、当社は、登録ユーザーまたは利用者その他の第三者に一切責任を負いません。
(準拠法)
第25条
本規約の準拠法は日本法とします。
準拠法は日本法と定めています。国内を想定したサービスであっても、ユーザーが海外から利用することも考えられます。運営会社が、海外のユーザーに対して訴訟を提起する可能性がありますので、その際に日本法が適用されることを明記しておきます。
(裁判管轄)
第26条
本規約に関連して当社と登録ユーザまたは利用者との間で生じた紛争については、当社の所在地を管轄する裁判所を第一審の合意管轄裁判所とします。
まとめ
冒頭でも説明したように、Webサービスは開発に気を取られてしまって法的なリスクは見落とされがちです。
しかし民法改正でよりユーザーが保護される規定が明確化されたため、それだけサービス提供者も真剣に法的観点に向き合う必要が出てきたと言えます。
自身の提供するサービスをしっかり理解した上で、サービスを提供するとどのような問題が想定されるかを考慮した利用規約を作成しましょう。
弁護士や行政書士などの専門家に利用規約のレビューをお願いする場合でも自身のWebサービスを深く理解して言語化して説明できるようにしておくことは重要です。